2008年02月06日

『思い出はゴミ箱に』 5

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『思い出はゴミ箱に』 4






『思い出はゴミ箱に』





やっぱりアイツはそう云うヤツなんだ。
待ち合わせの時間から30分過ぎていた。
その30分の間に、店を出ようと四回腰を上げ、思いなおして四回腰を下ろした。
そして今、五回目の腰を浮かせた。
会えなくて良かったかもしれない。
別に縒りを戻す積もりはさらさら無いけれど、会ってしまったらそういう事になるかもしれない。
もしそういう事になったらミチコは怒るだろう。
いや、怒りを通り越して呆れるかもしれないな。
懲りない女だねぇって、笑うかもしれない。
勿論、アタシは縒りを戻す気は無い。
『愛の反対は憎しみではなく、無関心である』。
なんて、マザー何とかさんが言っていたらしいけど、まさにその通りだ。
アタシはアイツを恨んだりなんかしていない。
無関心なのだ。
だから、アイツが約束をスッポかしても何とも思わない。
「ごめん」
席から立ち上がって、バックを取ろうと横を向いていた時に不意をつかれた。
シンジが立っていた。
アタシは驚いてストンと腰を落とした。


「久しぶりだな」
「うん。そうだね」
シンジが注文したシナモン・ティーが来たときに、ようやくアタシ達は会話をした。
そして思い出した。
シンジはいつもシナモン・ティーだった。
シンジはシナモン・ティーを一口啜ってマルボロを一口吸った。
その姿は少しも変わっていなかった。
八年前よりも精悍な顔つきになっている。
もし、もしも、縒りを戻したいなんて言っても…。
言ったとしても…。
一言、謝れば考えなくも無い。


アタシとシンジはぽつりぽつりと話した。
カメラマンとして順調にやっている事や、
アタシがアパートを引っ越した事や、
先月、日本に帰って来たばかりだという事や、
アタシの妹に二人目の子供が出来た事や、
来月には再びロスに戻る事や。


「え?戻るの?」
「うん」
三本目のマルボロの火を捻じり消してシンジは言った。
「それでさ」
渡したい物があるんだとシンジは言って、リュックから朱色のアルバムを取り出した。
それが何なのか私には直ぐに分かった。
アタシはシンジが写っている緑色のアルバムを持ち、シンジはアタシが写っている朱色のアルバムを持っていた。
「これを返したくて」
「え?」
「ロスに行ったら、もう会えないだろうし」
「………捨てればいいのに」
「女は簡単に出来るだろうけどさ…。」
話はもうとっくに別れた男と女という前提で進んでいた。
まだ、アタシは別れの言葉を聞いてはいないのに。
「お前が持っていた、あのアルバムは?」
「捨てたよ、とっくに」
「そうか」
やっぱりな。と言うような感じでシンジは言った。
シンジはテーブルの上に朱色のアルバムを残し、シナモン・ティーも半分残し、アタシをカフェに残して去っていった。


アタシは携帯電話でメールをした。
ミチコとトモミとサオリをアパートに招待した。
これからアタシの部屋で飲もうと思う。


今日のアタシはきっと荒れる。


おわり。




こちらもどうぞ。
『琉球舞台』
http://www.geocities.jp/pandacopanda1/




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この記事へのコメント
お久しぶりです、久場ことグースです。  怒ってます。
毎回楽しみに読んでいたのに・・・。  5だけ手抜きっぽいです。  なんか書き方というか表現というかなんというか・・・うまく伝えられないッスけど、いままで登場人物達が生きていて絶妙な表現でストーリーが展開していた(と感じていた)だけにあくまで僕個人的にですが残念ッス。だから今度飲み会来てください。
Posted by グース at 2008年02月07日 18:23
お久ぶる

あ、まちがえた。

お久しぶりです。

すんません、途中で飽きちゃっいました。

ウソです。
僕の実力はこんなもんです。

僕の精神的な筋肉痛と肉体的な鬱病が治ったら呑みに行きましょう。

近々予定しておりますので、誘いますね。
Posted by koujunkoujun at 2008年02月07日 22:36