2007年11月22日

コンパ

三日程前に、コンパのお誘いのメールを貰った。
二度目だ。
お誘い頂くのは、たいへん有難い事ではあるが、僕のコンパ嫌いはゴジラの声がコントラバスの逆回転音なんだぜベイベー!というくらい有名な話だ。


やらず嫌いはよくないので、数年前にコンパに行ったが、あまりのクダラナサに途中で抜けて古本屋さんに行った。
いま思えば、失礼な事をした。


そしてつい最近、コンパのお誘いのメールを貰った。
二度目だ。
同じ人から。
一度目はスケジュールの空きが無いと言うことで断った。
今回はなんと言って断ろう。


コンパの何が楽しいのか。
全く理解できない。
初対面の人と何を話せばよいのやら。
どうせ、コンパなんてセックスしたい男と女が棒と穴を探して、湯葉のような薄~い話で惰性で盛り上がったりするんでしょ。


そんな事に時間とお金を使いたくは無い。


なんて言って断ろうかな~。めんどくせ~な~。
ホント、めんどくせ~。
・・・・・・行くか、コンパ。


と言う事で行ってきました。コンパ。
看護婦さんでした。
もちろん、ナース姿じゃないけど。


みんな綺麗な人ばかりでしたが、綺麗すぎて余計に僕はしゃべれませんでした。
30分で早くも帰りたいモード。
僕以外の男達はよくしゃべります。
勘弁してよ。
帰りた~~いよ~~。


もう無理。
そっと逃げようとした時に、同じようにソワソワしている女の人と目が合いました。
無口だな~と、ずっと気になっていた人でした。
目と目が合ったので、仕方なく話しかけました。
大して盛り上がった訳ではないけれど、最後までこの人とおしゃべりして、成り行きで連絡先の交換までしました。
ドキドキしました。
コンパって意外と楽しいかも。
イヤイヤイヤ、今回はたまたま気の合う人がおったからじゃ!


数日たって、向こうからメールがありました。
断る理由もないので逢いに行きました。


僕は芝居の稽古、彼女は看護婦。
なかなか時間の歯車が噛み合わないまま、数年が過ぎました。
彼女は、何も言わないけど、僕はわかっていました。
わかっていたので、芝居を辞めて彼女と結婚し、女の子を二人授かりました。


30を過ぎた高卒の男が、妻と二人の子を養う為にいまさらながら社会に出て真面目に働きました。
もちろん上司は十以上も年の離れた方々です。
僕がミスやヘマをしても、一応は僕が年上なので、
「我那覇さん、これくらい大丈夫ですよ~(笑)」
と笑顔で言ってくれますが、その瞳の奥は遥か銀河の彼方から僕を見下ろしています。


こちとら、芝居で培った人間観察眼があるんじゃ!!
そんな事くらいお見通しじゃ!!


仕事を終えて、妻の実家にいる二人の子供を向かえにいきます。
僕の稼ぎが骨粗鬆症並にスカスカなので、妻は看護婦を続けています。


二人の子供の小さな手を、右手と左手にそれぞれ繋ぎ、三人並んで夜道を安アパートまで歩きます。
歩きながら、いまだに舞台で輝いている新垣晋也や、時々テレビで見かける内田周作を思うと、なんだか涙が出てきます。
幸せなのにな。
幸せなのに。


綺麗で働き者の妻がいて、賢くて可愛い子供もいて、幸せじゃない筈はないのに。


ふと。
あの頃に戻りたいと思うのです。
2007年11月24日の、あのコンパの日に。
もし、あの時、コンパに行かなければ・・・。


戻ろう!
あの日に!
さようなら美佐枝!いままでありがとう!
さよなら、美香と綾香!もう、生まれてくることは無いけど。
こんなパパをゆるしてね。





コンパ行くのや~~~~~めた!!


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Posted by koujun at 00:00 │雑記